丸ごと受け止められて育つと…
EQWELチャイルドアカデミー卒業生の丸本崇博さんも、両親から個性を受け入れてもらって育てられたおかげで、
自信と才能がぐんぐん伸びたことがよくわかる一人です。
崇博さんは、競技ダンスの選手で、1歳から12歳まで教室に通っていました。
学生時代には全国大会での優勝をはじめ、順調に成績を残し、
現在は一流のダンサーとして大会に出たり、後進を育てたりしています。
崇博さんの話を聞くと、自己肯定感がしっかりと育っている様子が伝わってきます。
「幼い頃から自分に自信を持つことができていて、ポジティブなイメージしか湧いてこない」
「両親は、子どもの頃から僕の見ているもの、
感じているものを一切否定せずに信じてくれ、思うように行動させてくれました」と本人。
崇博さんの両親のように、子どもを丸ごと認めることができれば、
子どもは自信を持って、好奇心を感じたことに、主体的に取り組むようになるのです。
比較しないと、自信が高まり幸せになる
では、なぜ「子どもを丸ごと受け入れて、否定しない」ことができなくなるのでしょうか。
その一つの要因に「比べること」が挙げられます。
ついついわが子と他の子どもたちとを比べ、
わが子に劣っている点があると「なんでそんなこともできないの?」と
否定してしまうのです。
しかし、わが子と他の子どもたちとを比べない方が、
長続きする幸せが得られることがさまざまな研究からわかっています。
経済学者のロバート・フランクは、
周囲との比較で満足を得るものを「地位財」、他人との相対比較とは関係なく
幸せが得られるものを「非地位財」と呼んでいます。
地位財とは、モノやお金、地位のように、他人との比較ができるもの。
一方、非地位財には、健康や自由、愛情などがあり、
長続きする幸せは、後者の非地位財によってもたらされるといっています。
他人と比べなくても幸せでいられるのは、確固たる自分を持っていて、
どんな場面でも自信を持ち続けられるからです。
他人に惑わされることなくいつも幸せを感じられるというわけです。
すなわち、わが子を他の子どもたちと比べないようにすれば、
自分自身が幸せでいられるだけでなく、
子どもも幸せを感じながら、自信を高めることができるのです。
こういった背景をもとに、EQWELチャイルドアカデミーでは、
楽しい子育て8か条の一つに「比べない」という項目を入れています。
もし比べるのなら、他の子どもと比べるのではなく、
わが子の昔と今を比べ、変化や成長を楽しむようにするとよいでしょう。
子どもの自信と才能をグングン伸ばすには、「丸ごと受け止め、否定せず、比べない」こと。
幼少期から、できるだけそのことを意識して、子どもの自信と幸せをどんどん育んであげたいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※EQ力とは、IQや学力などの認知能力と対になる非認知能力のことで、
特にEQWELチャイルドアカデミーの卒業生で活躍している子どもたちに共通する人間力を指します。
EQWELチャイルドアカデミーでは、幼少期に育みたい5つのEQ力として
「自己肯定感」「やる気」「共感力」「自制心」「やり抜く力」を挙げています。
【参考文献】
・小林正観、中村多恵子〔共著〕「子育てしない子育て~天才たちの共通項」(大和書房)
・前野隆司〔著〕「幸福学」が明らかにした幸せな人生を送る子どもの育て方」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
・浦谷裕樹〔著〕「子どもの未来が輝く「EQ力」」(プレジデント社)