コロンビア大学のミューラー教授たちは、
小学生を対象に「ほめ方」に関する実験を行いました。
2回目だけをかなり難しくしたIQテストを実施し、
1回目が終わったあとに「頭がいいね」と能力をほめるグループと、
「よく頑張ったね」と努力をほめるグループに分けました。
その結果、もともとの能力をほめられた子どもたちは
3回目のテストで成績を落としたのに対し、
努力をほめられた子どもたちは成績を伸ばしたのです。
これはどういうことでしょうか。
「頭がいいね」と、能力をほめられた子どもたちは、
2回目のテストで悪い成績を取ったことを「自分に能力がないせいだ」と考え、
やる気を失い、努力をしなくなりました。
一方、「よく頑張ったね」と努力をほめられた子どもたちは、
2回目で悪い成績を取ったことを「努力が足りなかったせいだ」と考え、
より一層努力をするようになり、
3回目のテストでは1回目より成績が上がったのです。
この実験結果を受けて、ミューラー教授は
「能力をほめることは、子どものやる気をむしばむ」と結論づけています。
子どもをほめるときは「頭がいいね」とほめるよりも、
「今日は1時間も勉強できたね」というように、
もともとの能力ではなく、やはり、
努力をほめることが重要であることがわかります。
![](https://www.eqwel-town.jp/sys/wp-content/uploads/2020/01/homeru4-300x220.jpg)
また、ハーバード大学のフライヤー教授が、
小中学生約3万6000名を対象とした
「ほめ方」に関する大規模な実験を行ったところ、
結果をほめる「結果ぼめ」よりも、
やはり「努力ぼめ」の方が学力向上に効果的であることがわかりました。
「結果ぼめ」を続けていると、
結果が出ているうちはやる気が続きます。
しかし、内容が難しくなってきて、なかなか結果が出にくくなると、
ほめられたいがために簡単なことばかりするようになり、
難しいことにはチャレンジしなくなってしまいます。
子どもたちは新しいことや難しいことにチャレンジして、
失敗したときにそれを乗り越えることで成長するのに、
「結果ぼめ」はその成長のチャンスを奪ってしまうのです。
子どもに新しい習慣を身につけさせてあげたいときは、
まず初めに結果を気にせず一緒に遊び感覚で取り組み、
積極的に取り組めるようになったら「能力・結果ではなく努力をほめる」ことを心がけましょう。
そうすれば、新しい習慣が身につき、
どこまでも自分の力で伸びていく子どもになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。