みなさん、こんにちは。
EQ力を育てる幼児教室 EQWELチャイルドアカデミーの浦谷です。
前回の続きとして「運動と学力」の関係性についてみていきましょう!
前回は運動が知的能力にもよい効果をもたらす可能性が示されていると述べました。
ただし、たとえ運動をして新たなニューロンが増えたとしても、その後、環境から刺激を受けずに使われないでいると死んでいってしまいます。言いかえると、運動によって生まれたニューロンは、環境から刺激を受けることで回路を形成し、生き残ることができるのです。
豊かな環境が必要だということを示したラットの実験があります。その結果を見ると、飼育箱の中におもちゃや回し車、障害物を置かれた環境で、たくさんの仲間とともに過ごしたラットたちは、何もない飼育箱で独りぽつんと過ごしたラットに比べ、学習作業をうまくこなしただけでなく、脳が重くなっていたとのこと。
これはラットの実験ではありますが、脳の成長には運動と豊かな環境の両方が必要なことがわかります。
運動で理系科目が世界トップレベルに!
運動で学力を向上させた実例があります。
アメリカ・イリノイ州のネーパーヴィル203学区では、「0時限体育」を導入したことにより、全米一健康になり、成績も目覚ましく向上しました。その学区の中学2年生たちは、世界の23万人の生徒が参加する国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)で、数学は世界6位、理科は世界1位の結果を出したことで知られています。
「0時限体育」とは、1時間目の授業の前に有酸素運動をして、心拍数を最大心拍数の80~90%に上げることで、脳を活性化させることを目的としたプログラムです。
脳が学習するには、ニューロン同士を結びつけなければなりませんが、運動をすると脳は学習の準備をし、意欲を持ち、結びつきをつくる能力が高まります。
実際、学区内の高校において、学期末に読解力のテストをしたところ、「0時限体育」に参加しなかった生徒たちの成績は10%強の向上に留まったのに対し、参加した生徒たちは17%も向上しました。
ただし、同じ読み書きの授業を2時限目に受けた生徒は成績が良く、8時限目に受けた生徒は成績があまり伸びませんでした。
このことから、運動の効果を生かすためには、運動直後の脳が活性化している時に一番苦手とする教科を受けるようにするのがよいとされています。
運動した後に、豊かな環境の中で、よい刺激をたくさん受ける。そうすることで、子どもたちは体も脳も成長させ、学力をグングン伸ばすことができるのです。
脳を活性化させ、学力向上にも効果がある「運動」。
親子で楽しく運動ができるといいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。