「共同育児」の効果

そんな「共同養育」の中でもたくさんの研究報告があるのが、
父親が育児に関わったときの「イクメン効果」です。
アメリカでの大規模な追跡調査の結果では、
父親の育児参加が、子どもの社会的発達、精神的発達、知的発達に
永続的な良い効果をもたらすことが明らかになっています。
〔米・国立小児保健発達研究所(NICHD)・約1300名対象の16 年にわたる追跡調査の結果〕
このほか、イギリスやカナダでも追跡調査による
同様の研究結果が公表されています。
また、祖父母や父親が育児にかかわると、
子どもの社会的スキルが高くなる
母親の子育て不安が低くなる
といった研究報告もあります。
〔園田学園女子大学、川崎医療福祉大学〕
近年は共働きの増加もあり、
祖父母や父親が育児にかかわる家庭が増えていますが、
こういった「共同養育」には、子どもの成長面に関する効果のみならず、
母親のストレス軽減にも効果があるということです。
また、近年の幼児教育の研究から、
家庭外の信頼できる大人との関係が、
「EQ力(=非認知能力)(※2)」の発達を補償することがわかっています。
〔米・シカゴ大学、ジェームズ・ヘックマン博士(ノーベル経済学受賞者)〕

これは子どもたちが、幼稚園や保育園、幼児教室の先生といった
家庭外の信頼できる大人と定期的に接することで、
「EQ力」の発達が補われる、ということです。
もちろん家庭での人間関係が柱となりますが、
園やEQWEL教室に通うことで、
子どもたちの人間的な成長にさらによい
影響を与えることができるのですね。
こういった研究報告を見ても、
いかに「共同養育」が子どもたちの健全な発達に効果が
あるかがよくわかります。
子どもたちのさらなる成長のためにも、
夏休みこそより一層、祖父母や父親、近場の親戚や知人、
園や教室などと触れ合う機会を持ち、
「共同養育」を実践してみるのはいかがでしょうか。
「共同養育」を意識して、皆さまがステキな日々を過ごされますように!!
【参考文献】
・明和政子「まねが育むヒトの心」(岩波ジュニア新書)
・能登春男「男親が賢く元気な子を育てる」(さくら舎)
・「子どもの経済力を決める~父親からの問いかけ」(マルコ社)
(※2)EQ力とは、IQや学力などと対になる能力のことで、
特にEQWELチャイルドアカデミーの卒業生で
活躍している子どもたちに共通する人間力を指します。